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腎細胞癌[私の治療]

登録日: 2026.09.07 最終更新日: 2026.09.07

水野隆一 (聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学教授) 菊地栄次 (聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学主任教授)

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腎細胞癌は,主として尿細管に由来する上皮性悪性腫瘍であり,病理組織学的には腺癌に分類される。近年,画像診断技術の進歩および普及により,人間ドックや健康診断,あるいは他疾患の精査目的で施行された画像検査を契機として,無症状のまま偶発的に発見される腎腫瘤が増加している。通常,最大径4cm以下の腎腫瘤は小径腎腫瘍と呼ばれ,特に発見頻度が上昇している。組織型別頻度としては,淡明細胞型腎細胞癌が最も高く約70%を占め,ついで,乳頭状腎細胞癌(約15%),嫌色素性腎細胞癌(約5%)の順である。

▶診断のポイント

腎細胞癌の確定診断は,主として画像検査により行われ,生検は組織型の確定が治療方針決定に重要な場合に推奨される。超音波検査は放射線被曝がなく,ベッドサイドで施行可能であることから,泌尿器科領域における一般的なスクリーニング検査として広く用いられている。空間分解能が高く,リアルタイムに病変を描出できる点が利点であり,ドップラー検査を併用することで血流情報を得ることが可能で,診断精度の向上に寄与する。ダイナミックCT検査は,造影剤を用いて短時間に同一部位を反復撮影し経時的変化を評価する検査法であり,腎腫瘤性病変の診断において必須である。

淡明細胞型腎細胞癌ではvon Hippel-Lindau(VHL)遺伝子異常が,乳頭状腎細胞癌ではMET遺伝子異常やfumarate hydratase(FH)遺伝子異常が,嫌色素性腎細胞癌ではBirt-Hogg-Dube(BHD)遺伝子異常が関与することが知られており,発生機構の違いを反映して画像所見も組織型ごとに大きく異なる。このため,各組織型に特徴的な画像所見を理解しておくことが重要である。

造影剤使用が困難な症例ではMRI検査が代替となる。


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