胆囊癌は,進展範囲が粘膜内や固有筋層にとどまる早期がんから,肝,肝外胆管,胃・十二指腸,結腸,膵臓等の周囲臓器へ浸潤をきたした局所進行がんまで,外科治療の対象の幅が広い。そのため,R0切除を実施するには,病巣所見に応じて症例ごとに切除範囲を適切に選択していく必要がある。
▶診断のポイント
【症状】
初期の段階は症状に乏しく,進行すると腹痛(心窩部痛,右上腹部痛),黄疸,体重減少,右季肋部の腫瘤などを認める。
▶私の治療方針・処方の組み立て方
CT,MRI(MRCP),EUS,ERCP,PET/CTなどの画像検査により,局所進展(T因子),リンパ節転移(N因子),遠隔転移(M因子)を評価し,治療方針を決定する。唯一の根治療法は外科切除であるため,切除可能か否かの判断が最も重要である1)。
cStage I~Ⅲに対しては外科切除を実施し,病理組織学的診断において再発危険因子(pT2~pT4,リンパ節転移陽性)を有する症例に対しては,術後S-1補助化学療法(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)を行う。術後2年間は3カ月間隔で画像検査と腫瘍マーカー測定により再発チェックを行い,術後3年目以降は,6カ月間隔でフォローする。
Stage Ⅳに対しては,薬物療法を主体とした集学的治療を行う。切除不能例に対するファーストライン薬物療法として,ゲムシタビン+シスプラチン+S-1併用療法(GCS療法)または免疫チェックポイント阻害薬(デュルバルマブまたはペムブロリズマブ)+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を実施する1)。
