はじめまして。湘南藤沢徳洲会病院公式Instagramの中の人、町田と申します。2021年6月から約5年、病院SNSを運営しています。
私が運用を始めた当時は、成功事例と思える病院アカウントがほとんどなく、「病院SNSとはどうあるべきか」について、かなり悩みました。何が正解なのかわからないまま勉強し、試行錯誤を重ねてきました。
Instagramのフォロワーが1万人を超えた頃から、外部の方から執筆や講演をご依頼頂く機会が増えました。そこで求められるのは、多くの場合、医療機関におけるSNS活用の話です。それだけ多くの医療機関が、SNSをどう活用すればよいのか悩んでいるのだと思います。
ただ、SNS運用には押さえるべきポイントや意識すべきことが数多くあります。1〜2時間の講演では、とても説明しきれません。限られた時間の中では、どうしてもSNS以外の話を盛り込む余地がなくなります。その結果、SNSの話だけをすることになり、「SNSの話しかしない人」のように見えてしまいます。そうして、外部の方からは、すっかり「SNSの人」と認識して頂くようになりました。
しかし、SNSはあくまでマーケティング手段のひとつにすぎません。私が日々考えているのは、SNS単体の運用ではありません。医療機関が必要な人とどう接点を持ち、どの情報をどこに置き、受け取り手の心を動かし、次の行動につなげていくか。そのために、様々な手段をどのように組み合わせ、導線を設計するか、ということです。
たとえば、InstagramとWebサイトでは役割が異なります。Instagramは、病院の存在を知らない人や、知っていても検索するほどの必要性をまだ感じていない人にも、偶然出会ってもらえる可能性があります。病院の日常やスタッフの表情、イベントの空気感など、検索してまで見に来るほどのものではないけれど、偶然目に入ることで「もっと知りたい」と感じてもらえる情報を届けることができるのは、Instagramの大きな強みのひとつです。
一方、Webサイトは、公式な情報を正確に蓄積する場所です。診療内容や募集要項、申込フォーム、問い合わせ先など、必要になった人が確認しに来る情報は、Webサイトに掲載しておく必要があります。Instagramでは過去の投稿が埋もれやすく、必要な情報を後から探すには向いていません。つまり、Instagramは入口になることはできても、出口までも担わせるには限界があります。
大切なのは、「とりあえずSNSに載せる」のではなく、「この情報はどこに置くべきか」を考えることです。SNSで興味を持った人が、詳しい情報に迷わずたどり着けること。そして、気持ちが冷める前に、申し込みや問い合わせなど次の行動へ進めること。そこまで設計されて、はじめてSNSは医療機関のマーケティング手段として機能するのだと思います。
私が日頃考えているのは、SNSのことだけではありません。SNSを切り口にしながら、医療機関の情報発信やマーケティングについて、現場で感じていることを少しずつ書いていきたいと思います。
町田詩織(湘南藤沢徳洲会病院マーケティング課主任)[SNS][マーケティング][医療機関]