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天疱瘡[私の治療]

登録日: 2026.08.24 最終更新日: 2026.08.24

古賀浩嗣 (久留米大学医学部皮膚科学講座主任教授)

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天疱瘡は,皮膚および粘膜の上皮細胞膜に対する自己抗体が血中に存在するという特徴がある。その自己抗体が皮膚および粘膜に結合することで細胞接着が障害された結果,水疱,びらんを主体とした症状を呈する自己免疫性疾患であり,難病に指定されている。尋常性天疱瘡,落葉状天疱瘡が主な疾患であり,それ以外にも増殖性天疱瘡,疱疹状天疱瘡,腫瘍随伴性天疱瘡,表皮細胞間IgA皮膚症(IgA天疱瘡)などが含まれる疾患群である。

▶診断のポイント

【症状】

尋常性天疱瘡では粘膜のみ(粘膜優位型)または粘膜と皮膚(粘膜皮膚型)の症状があり,落葉状天疱瘡では皮膚のみの症状がみられる。皮膚においては弛緩性水疱が生じ,容易にびらんを形成するため,肉眼的に明らかな水疱を認めない場合も多い。粘膜症状は口唇や,歯肉を含む口腔内以外に,眼瞼結膜,鼻腔,咽喉頭,食道などにも生じることがある。皮疹は頭部,腋窩,鼠径部,背部,臀部などの機械的刺激が加わる部位に好発しやすい。一見正常な部位も摩擦によりびらんを呈する(Nikolsky現象)。

【検査所見】

診断には上記の水疱,びらんの症状に加えて,病理組織所見として棘融解と上皮内水疱形成の所見,そして免疫学的検査が必要である。免疫学的所見としては①皮膚または粘膜の上皮細胞膜に自己抗体が沈着している所見を蛍光抗体直接法で確認すること,血中の自己抗体を②蛍光抗体間接法,または③デスモグレイン1および3のCLEIA(ELISA)法で確認することが重要である。国内ガイドラインの診断基準では病理組織所見か蛍光抗体直接法での所見が必要であるため,確定診断には生検が必須となる1)


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