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顕微鏡的多発血管炎(MPA)[私の治療]

登録日: 2026.08.23 最終更新日: 2026.08.23

古田俊介 (千葉大学大学院医学研究院アレルギー・臨床免疫学特任准教授)

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顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)は,免疫複合体沈着を欠く小型血管の炎症と好中球細胞質に対する自己抗体であるANCA出現を特徴とするANCA関連血管炎の中の一疾患である。糸球体腎炎や肺胞出血,多発単神経炎,中耳炎など多彩な臓器病変を呈する。わが国においては18人/100万人/年の罹患率で,指定難病となっている。好発年齢は60~70歳代と高齢者に多い。

▶診断のポイント

可能な限り組織を採取し,血管炎を病理学的に証明することが重要である。自己抗体であるANCA(MPAでは主にMPO-ANCA)の診断的価値は高いが,低力価の場合は感染症や悪性腫瘍による陽性化もしばしば経験する。診断には,厚生労働省の診断基準1)が参考となる。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

重症と非重症,寛解導入期と寛解維持期にわけて考えることが一般的である。急速進行性糸球体腎炎や肺胞出血を呈する症例が重症として扱われることが多い。下垂足などの神経障害も重症度に準じて治療している。寛解導入期は半年程度を目安に,疾患活動性を抑え込むための強力な治療を行う。それに引き続く寛解維持期は,再発予防のための治療を2~4年程度行う。

過去のランダム化比較試験の結果をもとに診療ガイドライン2)が発表されている。重症例の寛解導入では大量グルココルチコイド(GC)とリツキシマブを,非重症例では減量GCとリツキシマブを使用する。メタアナリシス3)の結果をもとに,Cre 3.4mg/dL以上の腎炎を合併する症例では血漿交換を追加している。過去の大規模研究で有用性を示せなかったため,肺胞出血に対する血漿交換については基本的に行っていない。寛解達成後の維持療法はリツキシマブの半年ごとの定期投与が標準的である。

上記のほか,アバコパンも第一選択薬の選択肢としてガイドラインに記載されている2)。しかし,アバコパンについては,日本人集団での重篤な肝障害発生の報告が集積されつつあり,投与の可否は最新の情報を参照しつつ,慎重に決める必要がある。


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