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膠原病に伴う腎症(ループス腎炎)[私の治療]

登録日: 2026.08.21 最終更新日: 2026.08.21

廣村桂樹 (群馬大学大学院医学系研究科内科学講座腎臓・リウマチ内科学分野教授)

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膠原病では腎が主要な標的臓器となることが多く,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),顕微鏡的多発血管炎,多発血管炎性肉芽腫症などでは重篤な腎障害をしばしば合併する。中でもSLEにおけるループス腎炎は,免疫複合体の糸球体沈着と補体活性化を背景に炎症・組織障害をきたす。ループス腎炎は腎予後・生命予後に直結するが,近年は治療成績が改善してきた1)。一方で,長期予後のさらなる改善と,グルココルチコイド(glucocorticoid:GC)関連有害事象の最小化が課題である。

▶診断のポイント

SLE患者(疑い例を含む)で,尿蛋白0.5g/日以上(または尿蛋白/Cr比0.5g/gCr以上)を認める,あるいは活動性尿沈渣(血尿,白血球尿,円柱)を伴う場合はループス腎炎を疑う。尿蛋白量,尿沈渣,血清Cr・eGFRに加え,補体,抗ds-DNA抗体などを評価する。禁忌がなければ腎生検を行い,ISN/RPS分類に基づき組織型を評価する。さらに,活動性・慢性度指標(半月体,ワイヤーループ病変,糸球体硬化,間質線維化など)を把握した上で,治療強度を決定する。治療対象は主にⅢ・Ⅳ型(増殖性)およびⅤ型(膜性)である2)3)

▶私の治療方針・処方の組み立て方

腎生検所見および重症度(腎機能低下速度,蛋白尿,半月体,慢性病変,腎外臓器病変等)をふまえ,寛解導入療法を選択する。基本はGCとミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)の併用とする。重症例(特にネフローゼなど)では,GCとMMFにカルシニューリン阻害薬(タクロリムスまたはボクロスポリン)を併用する。活動性の高い腎外臓器病変を伴う例,または重症で感染リスクの高い例では,GCとMMFにベリムマブを追加する。治療反応不十分例,あるいは精神神経ループスや肺胞出血等の重篤腎外臓器病変合併例では,MMFに代えてシクロホスファミド静注療法を選択し,病態に応じてベリムマブ併用を検討する。全例で禁忌がなければ眼科的評価の上,ヒドロキシクロロキンを併用する。

寛解目標は尿蛋白/Cr比0.5g/gCr未満,尿沈渣の正常化,腎機能の安定とし,6~12カ月以内の達成をめざす。寛解達成後は寛解維持療法を継続する。蛋白尿または高血圧に対しては アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬/アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を併用し,腎機能に応じた保存的治療を行う。


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