意識障害の原因により治療が異なるため,まず原因を明確にすることが大切である。
▶病歴聴取のポイント
主要なポイントを以下に記載する。
• 発症時間の確認は,特に急性期脳梗塞を含む脳卒中であれば重要である
• てんかん発作や低血糖発作,精神疾患,アルコール中毒,薬物中毒,肝疾患,副腎疾患,甲状腺疾患,トルコ鞍上部腫瘍,大動脈解離症等の既往歴や内服歴を確認する
• 低体温や熱中症では,環境因子や水分摂取などの情報を聴取する
• 明らかな外傷や経験したことのない強い頭痛症状の有無を確認する
• 感染・炎症では,周囲の感染状況や渡航歴,発熱経過を確認する
▶バイタルサイン・身体診察のポイント
基本的なバイタルサイン(血圧,脈拍,体温,酸素飽和度等)と意識レベル評価に加え,Glasgow Coma Scale(GCS)もしくはJapan Coma Scale(JCS)での評価,瞳孔所見(対光反射,瞳孔径)や脳神経所見の継続的な観察が重要である。
脳卒中では,意識レベル以外に経験のない頭痛や脳神経所見,不整脈(心房細動等)がないかを確認する。
外傷では,軽症でもバイタルサインと意識レベル,神経所見をチェックする。外傷性健忘の有無の確認も大切である。
随伴する呼吸状態については,頭蓋内圧亢進症ではチェーン・ストークス呼吸や過呼吸,また,延髄病変では失調性となる。一方で,代謝性アシドーシスではクスマウル呼吸を呈する。
脳ヘルニア・頭蓋内圧亢進では,血圧上昇と徐脈を示すことが多い。
低血糖では,初期に脱力,倦怠感,思考力低下,痙攣発作,片麻痺,心停止などを生じる。低栄養やアルコール中毒でも低血糖を生じる。
解離性(転換性)障害(かつて「ヒステリー」と呼ばれていた状態など)では,人格変容,健忘,意識変容,中枢性病巣に異常がない神経学的所見がみられる。
薬物過剰摂取・中毒では,薬品摂取の情報が大切である。麻薬,有機リン,バルビツレートでは両側瞳孔縮小が生じる。身体症状は薬物により異なるため,摂取状況の確認を急ぐ必要がある。
不整脈による脳血流低下から失神を起こすAdams-Stokes発作では,血流再開から意識が回復する特徴があり,房室ブロックが2/3を占める。
