機能性子宮出血とは,器質的疾患(子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮内膜ポリープ,悪性腫瘍など)はないにもかかわらず,ホルモンバランスの不調によって生じる異常子宮出血を指す。思春期と更年期に多くみられ,無排卵性と排卵性に二分される。内分泌的な機能異常が主因となるが,出血傾向を有する内科的疾患(血液疾患,肝疾患)や薬剤性(抗凝固薬など)の子宮出血に配慮する。
▶診断のポイント
【症状】
思春期では視床下部−下垂体−卵巣系の未熟性による排卵障害が,更年期では加齢に伴う卵巣機能低下による黄体機能不全が不規則な子宮出血の原因となる。思春期で起こる機能性子宮出血のほとんどが無排卵性出血であり,初経後3年においても安定した排卵性月経となるのは約50%にとどまる。排卵性月経では,月経周期は比較的規則的であるが,ホルモン分泌のタイミングや量が不安定なことから,月経前後に少量出血をきたす。
【検査所見】
性成熟期女性では,妊娠を否定した後に,問診で出血の時期や量を確認する。既往疾患,薬剤使用,体重の増減,ストレスの有無など,月経不順の原因となりうる情報を得る。続いて,器質的疾患や多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)の鑑別を行う。
基礎体温測定は,排卵の有無,黄体期の持続期間,出血時期と月経の関係を把握するのに有用である。エストラジオール,プロゲステロン,プロラクチン(PRL),卵胞刺激ホルモン(FSH),黄体形成ホルモン(LH)などの測定は,排卵の有無や卵巣機能の評価に役立つ。ホルモン検査や画像検査を用いた正確な診断により,治療の時機を逸しないようにすることが大切である。
