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びまん性汎細気管支炎[私の治療]

登録日: 2026.08.12 最終更新日: 2026.08.12

石割茉由子 (東京医科大学呼吸器内科学分野講師) 阿部信二 (東京医科大学呼吸器内科学分野主任教授)

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びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)は,両側肺においてほぼ対称性に呼吸細気管支領域を主座とする慢性炎症がびまん性に認められ,進行性の呼吸機能障害をきたす疾患である。患者の多くが慢性鼻副鼻腔炎を合併することから,本症は鼻副鼻腔気管支症候群の代表的疾患として位置づけられている。
発症年齢は40~50歳代にピークを示すが,若年者から高齢者まで幅広い年齢層にみられ,男女差は認めない。多くの症例で,小児期から青年期に慢性鼻副鼻腔炎が先行し,その後に慢性咳嗽や喀痰などの下気道症状が出現する。
本症の原因は明らかではないが,環境因子と遺伝因子の双方が発症に関与すると考えられている。疫学的には東アジア人に多くみられ,欧米白人では稀である。また,家族内発症が認められる例もあり,日本人患者ではHLA-B54抗原の保有率が高いことが知られている。

▶診断のポイント

典型的には,慢性鼻副鼻腔炎の既往または合併を背景に,慢性の気道症状とびまん性の細気管支病変を示唆する特徴的な画像所見を認めた場合に本疾患を疑う。
DPBには診断基準が設けられており,以下の必須項目①~③を満たす必要がある。

①臨床症状として湿性咳嗽,膿性痰,労作時呼吸困難のすべてを認めること
②慢性鼻副鼻腔炎の既往または合併があること
③胸部画像所見として,胸部X線で両肺にびまん性粒状影を,あるいは胸部CTで両肺にびまん性小葉中心性粒状影を認めること

詳細は東京都保健医療局が提示している診断基準を参照されたい1)

【症状】

呼吸器症状としては,膿性喀痰を伴う慢性咳嗽が特徴的である。気道狭窄が進行すると,喘鳴や労作時呼吸困難を呈する。患者の多くで慢性鼻副鼻腔炎を合併するため,鼻閉,膿性鼻汁,後鼻漏,嗅覚低下といった症状もみられる。

【検査所見】

身体所見では,胸部聴診上,呼気時の喘鳴や水泡音が聴取されることが多い。

血液検査では,寒冷凝集素価の上昇を多く認めるが,日本人以外では上昇しない症例も多い。慢性気道感染によりCRPや白血球数の上昇を認める。また,血清IgAやIgG,リウマトイド因子の上昇がみられることもあるが,必須所見ではない。

画像所見は,胸部X線では両側の肺野全体,特に中下肺野優位に粒状影を認め,残気量の増加を反映して過膨脹所見がみられる。胸部CTでは小葉中心性粒状影,分岐状粒状影や気管支拡張所見,気管支壁肥厚を認める。

呼吸機能検査では,1秒率が低下し閉塞性換気障害を認め,進行すると肺活量が低下し混合性換気障害を呈する。肺拡散能の低下は一般的にはみられない。


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