鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(chronic rhinosinusitis with nasal polyps:CRSwNP),特に好酸球性鼻副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhinosinusitis:ECRS)では,手術を行っても再発してしまう症例があります。CRSwNPに対して使用可能な生物学的製剤はデュピルマブ(デュピクセントⓇ)に加えて,2024年8月よりメポリズマブ(ヌーカラⓇ)が保険適用になりました。
CRSwNPに対する生物学的製剤治療に際しての注意点やポイントについて,昭和医科大学・洲崎勲夫先生にご解説をお願いします。
【質問者】
細矢 慶 鼻とにおいのクリニック池袋院長
【回答】
【患者の病態や併存症,疾病負荷を適切に評価し,治療適応を見きわめることが重要である】
従来の治療を行っても治療抵抗性のCRS wNPに対して,生物学的製剤が本邦でも保険適用となり,その治療効果が注目されています。これまでは,全身性ステロイドの投与や再手術といった,将来的な副作用の懸念や侵襲を伴う治療方法を選択せざるをえませんでした。しかし,新たな治療選択肢の登場は,強い疾病負荷を抱える患者のみならず,実臨床で治療方針の選択に苦慮していた医師にも福音となりました。
CRSwNP,特にECRSの難治化病態形成に2型炎症が大きく関わっているとされ,2型炎症性サイトカインに対する特異的な抗体製剤が複数上市されています。2020年にはデュピルマブ(デュピクセントⓇ)が,2024年にはメポリズマブ(ヌーカラⓇ)が,2026年にはテゼペルマブ(テゼスパイアⓇ)とデペモキマブ(エキシデンサーⓇ)が本邦にて適応拡大により保険適用となりました。上記の薬剤は,2型炎症に関連する因子であるIL-4,IL-5,IL-13,TSLP(thymic stromal lymphopoietin)のシグナルを阻害します。
