近年,持続可能な開発目標(sustainable development goals:SDGs)の達成目標の1つであるダイバーシティの考え方により,障害者を含む様々な人々の多様性を受け入れることに社会の関心が高まっていると感じます。このような観点で,ロービジョンケア(low vision care:LVC)に関する最近の進歩や問題点について,森山病院・石子智士先生にご解説をお願いします。
【質問者】
西川典子 旭川医科大学眼科講師
【回答】
【関連多職種との連携により,患者のwell-beingの達成が求められている】
障害者差別解消法では,障害のある人への「不当な差別的取扱い」を禁止し,「合理的な配慮」の提供を行うことが求められており,これらは2024年度から行政機関等に加え事業者にも義務化されました。これは,2006年に国連総会で採択された障害者権利条約において,障害のとらえ方が,心身の機能障害のみに起因するという「医学モデル」から,障害者が社会における様々な障壁と相対することによって生じる社会側の問題とする「社会モデル」へと変化してきたことを受けたものです。わが国においては,すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共に生きる「共生社会」の実現をめざすようになってきました。