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ANCA関連血管炎性中耳炎(OMAAV)[私の治療]

登録日: 2026.08.10 最終更新日: 2026.08.10

立山香織 (大分大学医学部耳鼻咽喉科学講座/卒後臨床研修センター准教授)

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ANCA関連血管炎性中耳炎(otitis media with ANCA associated vasculitis:OMAAV)は,抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎に関連した自己免疫性の難治性中耳炎である。主要な自己抗体であるmyeloperoxidase(MPO)-ANCA陽性例が約60%と最も多く,ついでproteinase-3(PR3)-ANCA陽性が20%程度に認められるが,ANCA陰性例も約20%存在する。ANCA関連血管炎には多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA),顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)の3疾患が含まれ,OMAAVはこれらの疾患に関連した中耳炎と定義される。

▶診断のポイント

日本耳科学会より,「ANCA関連血管炎性中耳炎診断基準(2015)」1)が提案され,現在広く用いられている。治療抵抗性の中耳炎や進行性の骨導閾値上昇を認め,急性中耳炎あるいは滲出性中耳炎として治療を行っても聴力や鼓膜所見の異常が改善しない場合,ANCAの測定を行うと同時に,鑑別疾患を除外する。

特に除外すべき疾患として,①結核性中耳炎,②コレステリン肉芽腫,③好酸球性中耳炎,④腫瘍性疾患(がん,炎症性線維芽細胞腫など),⑤真珠腫性中耳炎,⑥悪性外耳道炎,頭蓋底骨髄炎,⑦ANCA関連血管炎以外の自己免疫性疾患による中耳炎および内耳炎,が挙げられる。

中耳より血管炎に典型的な組織所見を得ることは困難であるが,腫瘍性疾患の鑑別が必要な場合には組織検査を行う。また,肺病変や腎病変などの全身検索を行い,活動性血管炎に起因する症候の有無を評価する。

合併症・続発症として,顔面神経麻痺および肥厚性硬膜炎に注意する。頭痛や耳痛,脳神経麻痺を認める症例では,造影MRIを施行し,肥厚性硬膜炎の所見を見逃さないようにする。


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