作用機序が異なる降圧薬を組み合わせる
JSH2025では,単剤高用量よりも,複数の降圧薬の少量の組み合わせのほうが効率よく降圧できることが示されており,作用機序の違うタイプの組み合わせが求められる。図8 10)に示すようにCa拮抗薬とRA系阻害薬の組み合わせは,血管拡張を中心とする右側に偏った組み合わせであり,これで降圧不良の場合には,反対側の降圧薬への切り替えを考慮すべきである。

そこでクローズアップされるのが,今回G1bに挙げられたサイアザイド系利尿薬やβ遮断薬であり,また,ARNIやMRAも該当する。末梢血管抵抗を血管拡張で改善するだけでなく,塩抜き・水抜きができる薬剤(サイアザイド系利尿薬,ARNI,MRA)や,心拍出量を減らす薬剤(β遮断薬)の出番である。「とりあえずビール」のような「とりあえずARBとCa拮抗薬」という思考停止の処方は,もはやJSH2025では許容されない。
筆者は長年,大阪大学で高血圧遺伝子の研究に従事していたが,その結果得られた結論は「日本人は遺伝的に食塩感受性の高い民族」である11)ということであった。生活習慣改善における減塩や,サイアザイド系利尿薬,ARNI,MRAの活用が降圧目標未達の壁を突破する鍵になるものと考える。
※この記事は,FOCUS「JSH2025でどう変わる?クリニックの降圧療法〈知らんぷり高血圧の克服をめざして〉」の一部を抜粋・編集したものです。