痛風発作中の尿酸降下薬投与は禁忌
痛風発作中に尿酸降下薬を投与するとcrystal sheddingが起こり,痛風発作が遷延する。
(1)crystal shedding
痛風関節炎を起こす関節内の軟骨や滑膜表面には,MSU結晶が析出して塊を形成している(微小痛風結節)。微小痛風結節自体は直接炎症に関与しないが,関節液中の尿酸濃度の急激な低下(尿酸降下薬開始時など)や外的刺激によって,微小痛風結節からMSU結晶がこぼれ落ちる(crystal shedding,図7)2)と,単離したMSU結晶をマクロファージが貪食して,各種サイトカインを分泌し痛風関節炎が惹起される。そのため,痛風発作中に尿酸降下薬を使用するとcrystal sheddingを促進し,痛風発作が遷延してしまう。

(2)crystal sheddingと痛風発作との関連
痛風発作には,関節腔内にMSU結晶が析出することが必須である。関節腔内へのMSU結晶の析出は,関節腔内で新たな結晶化が起こるか,または滑膜組織に沈着していたMSU結晶が関節腔内へcrystal sheddingすることにより生じる。痛風発作は,持続した高尿酸血症のために,過飽和になったMSU結晶が微小痛風結節として関節内に沈着し,種々の刺激により関節内に放出されることにより起きる。痛風発作中にはMSU結晶にゆるみが生じており,尿酸降下薬による血清尿酸値低下などの誘発刺激はcrystal sheddingを生じ,関節炎が遷延し,悪化する。
(3)尿酸降下薬投与中の痛風発作への対応
尿酸降下薬を新たに使用して痛風発作が誘発された場合は,尿酸降下薬の初期量はそのままで,同時に消炎鎮痛薬(コルヒチン,NSAIDs,経口グルココルチコイド)をスタートする。尿酸降下薬を2錠以上投与されて発作が起こった場合は,消炎鎮痛薬をスタートし,3~4日ごとに1錠ずつ尿酸降下薬を減量し,最終的に1錠まで減量する。数カ月前より尿酸降下薬の治療が開始されている場合は,尿酸降下薬の減量を行わず消炎鎮痛薬を比較的大量に投与し,関節炎の消退に努める(図8)2)。

本編では,本記事の内容に加えて,「血清尿酸値の管理と薬物選択の重要性」や「合併症への対応」,「食事療法のポイント」なども詳しく掲載しています。