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痛風発作中に尿酸降下薬を投与すると,痛風発作が遷延する⋯⋯?

登録日: 2026.07.29 最終更新日: 2026.07.29

久留一郎 (松江市立病院病院長,米子医療センター客員研究員)

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痛風発作中の尿酸降下薬投与は禁忌

痛風発作中に尿酸降下薬を投与するとcrystal sheddingが起こり,痛風発作が遷延する。

(1)crystal shedding

痛風関節炎を起こす関節内の軟骨や滑膜表面には,MSU結晶が析出して塊を形成している(微小痛風結節)。微小痛風結節自体は直接炎症に関与しないが,関節液中の尿酸濃度の急激な低下(尿酸降下薬開始時など)や外的刺激によって,微小痛風結節からMSU結晶がこぼれ落ちる(crystal shedding,72と,単離したMSU結晶をマクロファージが貪食して,各種サイトカインを分泌し痛風関節炎が惹起される。そのため,痛風発作中に尿酸降下薬を使用するとcrystal sheddingを促進し,痛風発作が遷延してしまう。

新たなMSU結晶の発生
痛風を起こしていない無症候性高尿酸血症の方の尿酸値上昇が新たな結晶形成を起こすと,その結晶が関節内に脱落して痛風発作が誘発される。

(2)crystal sheddingと痛風発作との関連

痛風発作には,関節腔内にMSU結晶が析出することが必須である。関節腔内へのMSU結晶の析出は,関節腔内で新たな結晶化が起こるか,または滑膜組織に沈着していたMSU結晶が関節腔内へcrystal sheddingすることにより生じる。痛風発作は,持続した高尿酸血症のために,過飽和になったMSU結晶が微小痛風結節として関節内に沈着し,種々の刺激により関節内に放出されることにより起きる。痛風発作中にはMSU結晶にゆるみが生じており,尿酸降下薬による血清尿酸値低下などの誘発刺激はcrystal sheddingを生じ,関節炎が遷延し,悪化する。

(3)尿酸降下薬投与中の痛風発作への対応

尿酸降下薬を新たに使用して痛風発作が誘発された場合は,尿酸降下薬の初期量はそのままで,同時に消炎鎮痛薬(コルヒチン,NSAIDs,経口グルココルチコイド)をスタートする。尿酸降下薬を2錠以上投与されて発作が起こった場合は,消炎鎮痛薬をスタートし,3~4日ごとに1錠ずつ尿酸降下薬を減量し,最終的に1錠まで減量する。数カ月前より尿酸降下薬の治療が開始されている場合は,尿酸降下薬の減量を行わず消炎鎮痛薬を比較的大量に投与し,関節炎の消退に努める(82

※この記事は,FOCUS『学び直し 痛風診療』の一部を抜粋・編集したものです。
本編では,本記事の内容に加えて,「血清尿酸値の管理と薬物選択の重要性」や「合併症への対応」,「食事療法のポイント」なども詳しく掲載しています。
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