「間質性肺炎を疑ったら全例すぐに専門医に紹介すべきか」という問いへの基本的な答えは「Yes」である。ただし現実には,医療資源や患者背景をふまえたトリアージが必要である(図13)5)。

早期精査と早期治療介入により予後が変わる可能性があるため,以下のいずれかを満たす場合には,速やかに専門医への紹介を検討する。
早期に紹介すべきケース
1. 労作時の呼吸困難や咳嗽などの自覚症状がある
2. 安静時または労作時にSpO2の低下がある
3. 胸部X線または胸部CTで,過去画像と比較して明らかな線維化の進行を認める
4. 胸部CTで蜂巣肺や牽引性気管支拡張などの線維化所見を認める
一方で,以下のような場合には,直ちに専門医へ紹介せず,数カ月ごとに画像検査や呼吸機能検査を行い,経過観察する選択肢もある。ただし,年齢だけで機械的に線引きすべきではない。パフォーマンスステータス(performance status:PS),フレイル,併存疾患,患者の意向,精査・治療の到達可能性を総合的に評価する。判断に迷う場合には,悩まず専門医へ紹介してよい。
経過観察を考慮しうるケース
1. PS,フレイル,併存疾患などを総合的に評価し,精密検査や積極的な治療の適応が乏しい場合,あるいは患者・家族が精査や治療を希望しない場合
2. 健康診断で偶然発見された無症状かつごく軽度の限局した網状影のみで,過去画像と比較して変化がない場合。間質性肺異常(interstitial lung abnormalities:ILA)の概念が提唱されており21),多くは健診,検診,他疾患精査中に偶然発見される。ただし,経過観察中に症状悪化や画像所見での進行を認めた場合は,その時点で専門医への紹介を検討する
図13 5)は『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022』を参考に作成したものである。専門医への紹介タイミングの参考にしたい。なお,急性増悪(acute exacerbation:AE)は日単位で進行するため,救急対応可能な高次医療機関へ速やかに紹介すべきである。
※この記事は,FOCUS「非専門医のための間質性肺炎 実践的アプローチ」の一部を抜粋・編集したものです。