検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

感染性心内膜炎(小児)[私の治療]

登録日: 2026.07.21 最終更新日: 2026.07.21

西木拓己 (東京大学医学部附属病院小児科)

お気に入りに登録する

感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)は,弁膜や心内膜,大血管内膜に細菌が集簇した疣腫を形成する全身性敗血症性疾患である。弁組織破壊に伴う弁逆流によって生じた心不全や,疣腫による塞栓症など多彩な臨床症状を呈する。小児では稀で,一般小児入院患者1000人当たり0.05~0.12人とされる。小児IEの30~80%に先天性心疾患が関与し1),術後血行動態異常,人工弁・パッチなどの人工物,カテーテル留置などが背景となる。

▶診断のポイント

症状では発熱が最も多く,悪寒,食欲不振,体重減少,易疲労感などの非特異的症状を伴う。微熱や倦怠感が前景となり,心因性疾患などを疑われて見逃されることもある。遷延する発熱,抗菌薬投与にもかかわらず発熱・解熱を繰り返す例,新規または増悪した心雑音,先天性心疾患や人工物留置の既往がある小児の発熱では,IEを積極的に疑う。診断は修正Duke診断基準を基本に,血液培養と画像診断を組み合わせて行う。
血液培養は抗菌薬投与前に,年齢に応じた十分量を,可能な限り3セット採取する。心エコー検査では疣腫の部位・大きさに加え,弁逆流,弁穿孔,短絡病変,弁輪周囲膿瘍などを確認する。経胸壁心エコーが陰性でもIEは否定できず,必要に応じて経食道心エコーを追加する。人工弁や人工導管関連では心エコーでの診断が困難なことがあり,心臓CTや18F-FDG PET/CTの併用を考慮する。


1 2