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筋萎縮性側索硬化症[私の治療]

登録日: 2026.07.17 最終更新日: 2026.07.17

和泉唯信 (徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野教授)

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筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は,上位および下位運動ニューロンが障害される神経変性疾患で,筋萎縮,筋力低下,構音障害,嚥下障害,呼吸筋麻痺をきたす。発症から死亡または換気補助導入までの期間は32~48カ月とされるが,個人差が大きい1)。日本のALS発症率は10万人当たり年2.2人程度,有病率は10万人当たり9.9人である1)。ALSの病態は完全には解明されていないが,男性が女性に比べて1.3~1.5倍多い1)。ほとんどが孤発性であるが,約5%が家族性であり,その原因遺伝子が数多く同定されている1)。わが国ではsuperoxide dismutase 1(SOD1)遺伝子変異によるものが最多である。

▶診断のポイント

【症状】

上位運動ニューロン徴候として腱反射亢進,痙縮,病的反射を,下位運動ニューロン徴候として線維束性収縮,筋力低下,筋萎縮を呈する。上位および下位運動ニューロン徴候を確認して診断する。上位運動ニューロン徴候を認めない場合でも,複数箇所に下位運動ニューロン徴候を認める場合は診断できる。そのほか,比較的短期間で体重減少をきたしやすい。

【検査所見】

筋力低下や筋萎縮を認めない時期でも,筋電図や筋超音波により異常を検出できる。筋電図で脱神経所見を,筋超音波で線維束性収縮を確認できる。鑑別診断を行うために画像検査も実施するが,頸椎症などの脊椎疾患はALSでは合併することが多いので注意する。SOD1など遺伝子異常によるALSの場合は,遺伝学的検査で病的変異を確認することが診断の決め手になる。SOD1の遺伝学的検査は保険収載されている。


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