変形性足関節症は,距腿関節(いわゆる足首)における関節軟骨の摩耗を本態とし,軟骨下骨の変性や骨棘形成を伴う慢性進行性疾患である。症状としては,歩き始めや階段昇降,斜面・不整地歩行時の疼痛を主とし,可動域制限,関節変形,腫脹,不安定感を伴う。外傷後(骨折,靱帯損傷)や骨形態・下肢アライメント異常に起因する二次性が多い点が特徴である。特に陳旧性足関節外側靱帯損傷による足関節不安定症が長期に放置されることで,比較的若年でも進行した変形性足関節症に至る症例が少なくない。
▶診断のポイント
画像診断では,立位でのX線足関節正面像による関節裂隙の評価と下肢アライメントの確認が重要である。一般的に高倉・田中分類1)によって評価され,内反型変形性足関節症を対象に関節裂隙の狭小化から消失の程度によりstage1~4に分類して治療選択につなげる。stage2では関節裂隙狭小化が主体であり,stage3aでは内果関節面のみ関節裂隙が消失し,3bでは天蓋滑車部まで関節裂隙の消失が及ぶ。stage4では距腿関節全体の関節裂隙が消失する。高倉・田中分類に加えて,下肢全体のアライメントと関節不安定性の程度,またMRIや関節鏡所見により関節軟骨の状態を把握することも,術式選択においては重要である。
▶私の治療方針・処方の組み立て方
治療は高倉・田中分類を軸に,保存治療→骨切り術→固定術/人工足関節置換術の流れで段階的に考える。症状が軽度,もしくは手術を希望しない場合は保存治療を選択するが,その効果は限定的である。一方,骨切り術は近年成績が向上し,stage2〜3bの一部まで適応が拡大している。stage3b〜4では関節温存は困難なことが多く,足関節固定術が確実な選択肢となる。高齢で活動性が低く,下肢アライメントが保たれている症例では,人工足関節置換術も積極的に検討する。
