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変形性肘関節症[私の治療]

登録日: 2026.07.11 最終更新日: 2026.07.11

田中啓之 (大阪大学大学院医学系研究科運動器スポーツバイオメカニクス学講座特任教授)

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変形性肘関節症は,股関節や膝関節といった荷重関節に生じる変形性関節症とは異なり,基本的に非荷重関節である上肢の肘関節に発生するため,その頻度は比較的低い疾患である。しかし,臨床現場においては,特にスポーツ活動を背景とした症例が多く,若年~中年の競技者,活動性の高い患者において問題となることが少なくない。また,高齢者においても,若年期のスポーツ活動に関連した遺残障害として問題となることが多い。病態の中心は,オーバーユースによる関節軟骨面への反復負荷であり,特に投てき競技など上肢に強い負担がかかるスポーツで顕著となる。さらに,体操競技やヒップホップダンス,ブレイクダンスのように上肢が実質的に“荷重関節”として機能する競技,あるいは柔道,ラグビー,アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツでも発症リスクは高くなる。競技特性により障害されやすい部位や病態が異なるため,その理解が診療においてきわめて重要である。

▶診断のポイント

【症状】

疼痛・圧痛の部位,腫脹・発赤の有無,どの動作で疼痛が誘発されるのかを詳細に評価することが基本となる。特にスポーツ選手では,競技特有の動作と症状の関連を十分に聴取する必要がある。臨床上問題となることが多いのは,関節内遊離体によるロッキング症状,インピンジメントを呈する骨棘の疲労骨折による疼痛,可動域制限(特に屈曲方向の制限)による日常生活動作の障害である。

【検査所見】

画像診断としては,単純X線による遊離体や骨棘形成の有無,関節裂隙狭小化の評価を行う。CT検査では,単純X線では判別が困難な小さな遊離体や骨棘形成の詳細な評価が可能となる。また,超音波検査,MRIを併用することで,滑膜炎や滑膜ヒダ,靱帯組織など軟部組織の評価を行っておくことも有用である。


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