検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

耳小骨奇形[私の治療]

登録日: 2026.07.07 最終更新日: 2026.07.07

伊藤 吏 (山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科講座教授)

お気に入りに登録する

耳小骨奇形(先天性中耳奇形)は,耳介および外耳道奇形を伴うmajor typeと,外耳が正常で耳小骨奇形単独のminor typeに大別される。本稿では主にminor typeを扱うが,多くは鼓膜所見が正常で,一側性では自覚に乏しいため,「原因不明の難聴」として長年経過観察となることがある。主たる治療である手術の目標は,奇形のタイプに応じた安全な伝音再建術により聴力を改善することである。

▶診断のポイント

受診契機は主として①新生児聴覚スクリーニングreferに対する精密検査,②健診を契機に見つかった難聴の精密検査,の2つの場合が多い。

①では診察に加え,聴性行動反応聴力検査(BOA)等で反応を確認し,精密聴力検査として,気導および骨導刺激による聴性脳幹反応(ABR),聴性定常反応(ASSR)を行い,聴力を評価する。難聴がある場合には成長を待ってCTで原因検索を行う。

②では純音聴力検査で気骨導差を確認し,ティンパノメトリー,耳小骨筋反射などを併用して鼓膜と耳小骨の状態を評価する。さらに,CTで耳小骨連鎖,アブミ骨底板周囲,卵円窓/正円窓,顔面神経走行を確認する。また,内耳奇形合併の有無を確認する。

実際には,これらの検査だけで確定診断を得ることは難しい場合もあり,最終診断には試験的鼓室開放術が必要になることが少なくない。


1 2