麦粒腫は,黄色ブドウ球菌などの細菌が睫毛根の毛包やマイボーム腺に感染することによって引き起こされる急性の細菌感染である。
霰粒腫は,マイボーム腺に貯留した脂質(meibum)に対する異物反応によって生じる,細菌感染を伴わない無菌性の,非感染性の慢性肉芽腫性炎症で,脂質がマイボーム腺内に溜まることで肉芽腫が形成される。眼瞼炎やDemodex(睫毛ダニ)がリスクファクターとなる。霰粒腫は局所的なマイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction:MGD)とも考えられており1),発赤や痛みを伴わない腫瘤の形成のみが典型的である。
しかし,霰粒腫に感染を伴う場合は化膿性霰粒腫となり,発赤,疼痛,腫脹等の感染/炎症の徴候を伴う。
▶診断のポイント
本来,麦粒腫と霰粒腫の違いは,感染を起こしているか否かであるが,臨床上,当初は単なる霰粒腫であっても後から細菌感染等を起こした場合(化膿性霰粒腫),両者の見わけが難しいことも非常に多いと思われる。
本来は,感染により起こる麦粒腫は,痛み,発赤,腫脹等の症状があるが,非感染性の霰粒腫は痛み等もなく赤みも少ない。しかし,霰粒腫が感染すると(つまり化膿性霰粒腫となると)痛みや発赤等を伴ってくる。
また,麦粒腫,霰粒腫を問わず,眼瞼悪性腫瘍との鑑別が必要な場合があり,注意が必要である。眼瞼悪性腫瘍を見逃さないために,診察時は必ず眼瞼を翻転し,結膜側を確認すること,そして手術加療で摘出した際などは,必ず病理学的検査へ提出することをお勧めする。
