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食道癌[私の治療]

登録日: 2026.07.01 最終更新日: 2026.07.01

竹内裕也 (浜松医科大学医学部外科学第二講座教授)

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食道癌は食道内に発生する悪性腫瘍である。年間約2万7000名の新規患者があり,扁平上皮癌が約9割を占めている。消化器癌の中でも悪性度が高い疾患として知られており,一般的に進行が早く,診断時には局所進行例やリンパ節転移例が多い。その治療においては,正確な病期評価に基づいた集学的治療戦略が重要となり,高度な専門性と多職種連携が求められる。

▶診断のポイント

第一は内視鏡検査であり,白色光観察に加えて狭帯域光観察(NBI)や拡大観察を用いることで,表在がんの拾い上げや深達度診断の精度向上が期待できる。生検による組織診断で,組織型も含めた食道癌の診断を確定する。病期診断としては,造影CT検査や超音波検査によるリンパ節・遠隔転移評価が重要であり,必要に応じて超音波内視鏡検査による深達度診断やPET-CT検査による全身検索も行われる。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

病期,組織型,全身状態を総合的に判断して,治療法を決定する。腫瘍原発巣が粘膜内にとどまる表在がんでは内視鏡的切除が第一選択となるが,粘膜下層より深い浸潤が疑われる場合には,外科切除や化学放射線療法を含めた検討が必要となる。局所進行食道癌(ステージⅡ/Ⅲ)には,手術単独ではなく術前治療を併用した集学的治療が標準となっている。わが国では,扁平上皮癌に対して術前DCF(ドセタキセル,シスプラチン,5-FU併用)療法が広く行われているが1),高齢者や併存症を有する患者に対しては忍容性も考慮した適切なレジメン選択が必要となる。術後補助療法については,現在,免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブが保険承認されているが,わが国におけるエビデンスの確立のために臨床試験(JCOG2206)が進行中である。

隣接臓器浸潤や遠隔臓器転移を有するステージⅣ食道癌については,免疫チェックポイント阻害薬を含む全身薬物療法や化学放射線療法が選択される。最近ではステージⅣ食道癌に対する初回治療が著効し,コンバージョン治療(手術や放射線治療)介入が可能となる症例も増加している。


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