婦人科悪性腫瘍において,外陰癌は5~8%を,腟癌は1~2%を占める疾患であり,両者とも稀少がんとされている。これらの疾患は,稀少疾患のためエビデンスも少なく,治療方針も長く明示されていなかった。しかし,日本婦人科腫瘍学会から「外陰がん・腟がん治療ガイドライン2015年版」が刊行され,NCCN(National Comprehensive Cancer Network)からも外陰癌と腟癌のガイドラインがそれぞれ刊行されている。
また,日本皮膚科学会からは「乳房外パジェット病診療ガイドライン」「メラノーマ診療ガイドライン」,⽇本⽪膚悪性腫瘍学会からは「悪性黒色腫(メラノーマ)薬物療法の手引き」など,外陰癌・腟癌についての多くの診療ガイドラインが刊行されており,治療方針が示されるようになった。
また,2016年からは日本産科婦人科学会の婦人科腫瘍登録も行われるようになり,実際の治療選択や予後についても報告されている。
▶診断のポイント
外陰癌も腟癌も扁平上皮癌が最多であり,HPV(human papillomavirus)関連腫瘍とHPV非依存性腫瘍にわかれる。組織学的特徴と予後予測のため,NCCNガイドラインでは免疫組織化学でp16やp53の変異の有無を確認することが勧められている。HPV感染以外の原因として,外陰癌では硬化性苔癬が重要であり,腟癌ではDEA(diethanolamine)などの化学物質への曝露,ペッサリーなどによる慢性刺激などが挙げられている。
