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在宅医療における暴力・ハラスメント対策[私の治療]

登録日: 2026.06.24 最終更新日: 2026.06.24

藤田 愛 (北須磨訪問看護・リハビリセンター所長,慢性疾患看護専門看護師)

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昨今,訪問看護師への利用者・家族からの暴力・ハラスメント行為が深刻になっている。2017年に日本看護協会が実施した「看護職員実態調査」によると,勤務先または訪問先などで,看護職の約2人に1人が過去1年間に暴力・ハラスメントを受けていたことがわかっている1)。患者・利用者宅を訪問する保健師,訪問看護師,訪問介護員においても,他の調査で同様の結果となっている2)〜6)。また1999年以降,日常的な暴力・ハラスメントにとどまらず,医師も含む重大事件に発展するケースも後を絶たない状況である()。在宅医療・ケア従事者の安全確保対策への取り組みが喫緊の課題になっている。
一方,2019年の全国訪問看護事業協会の調査によると,訪問看護事業所の管理者の97.5%が「利用者・家族による暴力等への対策が必要」と回答しているにもかかわらず,約6割が「具体的にどうしたらよいかわからない」と回答しており5),管理者だけで暴力・ハラスメントの問題を解決することは限界があり,管理者や事業所を支援する体制の整備が不可欠である。
また,これまで在宅医療・ケアの場において,ケアの対象者である利用者・家族からの暴力・ハラスメント行為は容認するという認識や風潮が根強くあった。むしろ被害に遭った在宅医療・ケア従事者に対して「仕方がない」「あなたの接し方が問題だったのでは」などと,被害者に原因を求める傾向があり,上司や職場,他職種からの二次被害も少なくない。在宅医療・ケア従事者の意識改革も求められている。

【暴力の定義】7)

•身体的暴力:叩く,殴る,蹴る,かみつく,引っ搔く,つまむといった身体的な接触を伴う行為。武器を使用した身体的接触を伴う行為で,未遂も含む。

•精神的暴力:個人の尊厳や価値を言葉によって傷つけたり,おとしめたり,敬意の欠如を示す行為。

•セクシュアルハラスメント:意に沿わない性的誘いや好意的態度の要求など性的な嫌がらせ行為。


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