持続勃起症とは,性的刺激・性的興奮と無関係である勃起が4時間を超えて持続している状態と定義される1)。
▶診断のポイント1)
①問診:勃起の持続時間,勃起機能,痛みの程度および時間経過,使用薬物,外傷・血液疾患の有無などを聴取。
②身体所見:完全勃起か不完全勃起か,会陰部の外傷を確認。
③陰茎海綿体内血液ガス分析:陰茎の3時方向または9時方向から(0時方向には神経が走行し,6時方向には尿道が走行するため),19G翼状針を用いて穿刺する。虚血性では酸素分圧の低下,二酸化炭素分圧の上昇,pHの低下を示す。非虚血性では動脈血と同様の血液ガス分析を示す。翼状針は以下の治療に備えてすぐに抜去しない。
上記①→③にて虚血性か非虚血性かを診断する。
【虚血性】
陰茎海綿体からの血液流出路が障害され,疼痛を伴う完全勃起を特徴とする。勃起機能が失われるため,速やかな処置が必要である。原因としては,向精神薬,α遮断薬,過量のPDE-5阻害薬の内服,パパベリンやプロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射,白血病・悪性リンパ腫・種々のがんの海綿体転移などがある。
【非虚血性】
海綿体動脈の破綻による陰茎海綿体への血液流入増加を特徴とする。先行する会陰部打撲が多く,疼痛を伴わない不完全な勃起を示す。組織の酸素化が保たれているので,緊急処置は必ずしも必要としない。原因としては,会陰部打撲,性交外傷,陰茎打撲,骨盤骨折などがある。
【断続性】
鎌状赤血球症の患者でみられる繰り返される持続勃起である。わが国ではきわめて稀である。
