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後腹膜腫瘍[私の治療]

登録日: 2026.06.22 最終更新日: 2026.06.22

前嶋愛子 (国立がん研究センター中央病院腫瘍内科/泌尿器・後腹膜腫瘍科/希少がんセンター) 込山元清 (国立がん研究センター中央病院泌尿器・後腹膜腫瘍科外来医長/希少がんセンター)

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「後腹膜腫瘍」は後腹膜腔に発生した腫瘍の総称であり,厳密には病名・診断名を表す言葉ではない。後腹膜腔という「場」の定義を示すことに重きがあり,悪性腫瘍のみならず腫瘍一般を含む概念である。
一方,「後腹膜肉腫」と表した場合には,疾患としては明らかに肉腫(軟部肉腫)を示すことになり,軟部肉腫全体のうち15%前後は後腹膜に発生すると言われる。肉腫の組織型は数十種類以上にも及ぶが,後腹膜肉腫に最も多いのは脂肪肉腫で,高分化型と脱分化型に大別される。ついで多いのは平滑筋肉腫だが,実際には非常に多彩である。

▶診断のポイント

【症状】

月単位で増強した腹部膨満感や腹痛,腫瘍による静脈の圧排に伴う下肢浮腫などが多いが,偶発的に検診などで発見される無症状の症例もある。腫瘍が急速に増大し食事摂取困難,腸閉塞をきたすことや,発熱などの全身症状を伴う場合も少なくない。

【検査】

画像診断としては造影CTが基本で,切除を検討する際の大血管や周囲臓器との位置関係を把握するために必須である。病理学的な確定診断には針生検が必須であるが,あくまで腫瘍の部分像をとらえるにとどまり,組織型を確定できないこともある。しかし,針生検によって少なくとも,がん腫や悪性リンパ腫などの肉腫以外の疾患や, 消化管間質腫瘍(GIST)やデスモイドのように,特定の治療法が存在する腫瘍を除外することは重要である。


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