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多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎)[私の治療]

登録日: 2026.06.18 最終更新日: 2026.06.18

武藤 智 (順天堂大学医学部附属練馬病院泌尿器科教授)

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常染色体優性多発性嚢胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)は両側腎臓に多数の嚢胞が進行性に発生・増大し,腎臓以外の種々の臓器にも障害が生じる遺伝性腎疾患である。約4000人に1人と発症頻度が比較的高く,加齢とともに嚢胞が両腎に増加して腎機能が進行性に低下し,60~70歳までに約半数が末期腎不全に至る。進行を抑制する治療として降圧療法や飲水の励行などが推奨されている。根本的治療薬としては,バソプレシンV2受容体拮抗薬(V2RA)であるトルバプタンが,ADPKDの腎容積増大および腎機能低下の抑制を目的に投与されている。

▶診断のポイント

多発腎嚢胞をCT,MRIで正確に同定することが必須である。発生部位,嚢胞個数,それぞれの嚢胞サイズ等を詳細に把握する必要がある。わが国の診断基準に該当するかを検討する。血縁歴の有無,年齢によって,超音波診断,CT/MRI検査それぞれに腎嚢胞個数の診断基準が設けられている。遺伝性疾患であり,原因遺伝子変異の同定は診断において重要である。今後,わが国においても早期に遺伝子診断が保険収載となることで,診断基準における遺伝子診断の明白な位置づけが期待される。


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