わが国の小児期急性膵炎の原因は,成人とは異なり,先天性胆道拡張症や膵胆管合流異常症によるものが多い。その他の原因として,感染,薬剤性,全身疾患に伴うもの,および腹部外傷がある。一部で,遺伝性膵炎により家族性,反復性膵炎をきたすこともある。
▶診断のポイント
『急性膵炎診療ガイドライン2021』では,急性膵炎の診断は,①上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある,②血中または尿中に膵酵素(アミラーゼまたはリパーゼ)値の上昇がある,③超音波,CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある,のうち2項目以上を満たし,他の膵疾患および急性腹症を除外したもの,と記載されている1)。厚生労働省の急性膵炎重症度判定基準を用いて,予後因子と腹部造影CTにより重症度を分類する。小児では年齢に応じた血圧値,小児全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)診断基準を用いることに注意する2)。近年,急性膵炎診療における臨床指標として,Pancreatitis Bundlesが提唱されており,これらを遵守することが致命率低下につながる。
