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粉瘤(表皮囊腫)[私の治療]

登録日: 2026.06.14 最終更新日: 2026.06.14

松本和彦 (信州大学医学部附属病院臨床研究支援センター特任教授)

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鶏卵大までの半球状に隆起した,皮内から皮下にかけて存在する腫瘤である。粉瘤は囊腫の中で最も頻度が高く,通常は視診および触診で診断可能である。組織学的に囊腫壁は重層扁平上皮からなり,内容物は角質である。しばしば中央に黒点状の開口部があり,強く押すとそこから悪臭の強い粥状物の排出がみられることがある。痛みはないが,細菌感染を起こすと発赤腫脹が生じ,疼痛や圧痛を伴う。手掌・足蹠にも表皮囊腫ができるが,この場合はいぼウイルスの関与が指摘されている。

▶診断のポイント

【細菌感染がない場合】

皮膚と癒着し,下床との可動性があれば粉瘤を考え,中央に黒点状の開口部があれば診断は容易である。視診,触診で診断が難しいときには皮膚超音波診断装置(皮膚エコー)や磁気共鳴画像法(MRI)を用いて精査する場合もある。診断と治療を兼ねて,全摘出することで,組織学的に診断が確定できる。典型的な臨床所見を示さず,粉瘤と確信できない場合には,積極的に組織を確認する姿勢が大切である。

【細菌感染がある場合】

発赤腫脹がある場合(炎症性粉瘤)には,囊腫を切開して排膿する。排膿時に粥状物の排出があれば粉瘤と診断でき,癤や癰などの皮膚および皮下膿瘍を呈する細菌感染症との鑑別に重要である。


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