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胸膜炎[私の治療]

登録日: 2026.06.10 最終更新日: 2026.06.10

國近尚美 (山口赤十字病院院長補佐/呼吸器内科部長)

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胸膜炎は感染症などを原因とする胸腔内での炎症であり,通常は胸水貯留を伴う。胸膜に炎症が生じると,滲出液が肺内から胸膜を通り抜けて胸腔内へ移動し,胸水を生じる。胸痛や呼吸困難をきたすことが多い。
胸膜炎の原因は,感染症(細菌性胸膜炎,肺炎随伴性胸水,結核),悪性腫瘍(肺癌,転移性腫瘍,悪性リンパ腫,悪性胸膜中皮腫),そのほか,膠原病,血管炎,肺塞栓症,卵巣腫瘍,薬剤,アスベスト曝露などがある。

▶診断のポイント

診断は胸部X線,CT検査を行い,胸水貯留を確認する。確認可能な胸水量は,胸部X線正面像で200mL以上とされている。超音波検査の画像を用いて確認した後に胸腔穿刺を行い,胸水や胸膜の一部を採取して検査する。Lightの基準を用いて漏出性胸水か滲出性胸水かを判断する。胸水の塗抹所見は,原因微生物の推定および初期抗菌薬の選択にきわめて有用である。細胞診により悪性腫瘍の鑑別を行う。

亜急性~慢性の経過の胸膜炎・膿胸では,必ず結核の除外診断を行う。結核性胸膜炎では,胸水の抗酸菌培養検査や結核菌PCRが陰性であることも少なくない。このため,胸水細胞診でのリンパ球増多,胸水アデノシンデアミナーゼ(ADA)上昇等の所見があれば,抗酸菌培養やPCR等が陰性でも,結核性胸膜炎と臨床診断して治療を開始することが多い1)


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