足根管症候群は,足根管内で脛骨神経とその分枝が圧迫される絞扼性神経障害である1)。足根管とは,足関節内果後下方において,脛骨,距骨,踵骨および屈筋支帯で囲まれる空間である2)。足根管内に発生するガングリオンや軟部腫瘍,距踵間癒合症による直接の圧迫が原因となることが多いが,原因が特定できない場合も20%程度存在する1)2)。
▶診断のポイント
患者は足底のしびれを主訴に受診することが多い。まず,腰椎疾患や糖尿病,末梢神経炎をきたすような病態がないかを問診する。次に,内果後方に外観上の隆起がないかを視診する。足根管における病変が疑われた場合には,叩打により足底に向けて放散痛が出現するTinel徴候の有無を確認する3)。
画像検査としては,単純X線荷重時足関節2方向撮影を行い,足関節内後方における距踵間癒合症の有無や外傷による遺残変形を確認する。骨性の異常が確認された場合にはCTを施行し,変形の詳細を調査する。骨性の異常所見が確認できない場合にはMRIを施行し,ガングリオンや軟部腫瘍の有無を調査する。超音波診断装置を用いた評価も有効である。
神経障害の程度を確認するために,電気生理学検査として,脛骨神経の伝導速度を計測する。
