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掌蹠膿疱症[私の治療]

登録日: 2026.05.24 最終更新日: 2026.05.25

大久保ゆかり (東京医科大学皮膚科学特任教授)

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手掌と足底あるいはそのいずれかの部位に新旧の無菌性膿疱を多発する疾患である。消長を繰り返しながら慢性の経過をたどる。中年女性に多く,主な病因として病巣感染,喫煙が挙げられる。前胸壁を中心とした骨関節症状として掌蹠膿疱症性骨関節炎を合併することがある。

▶診断のポイント

かゆみを伴う小水疱から始まり,膿疱への移行期に水疱内に小膿疱が形成される膿疱化水疱がみられる。膿疱ができるのを繰り返すうちに紅斑,鱗屑,痂皮を伴う病変を形成し,さらに亀裂を生じ,痛みで歩行困難となることもあり,QOLが損なわれる。接触皮膚炎,汗疱・異汗性湿疹,乾癬,手・足白癬,好酸球性膿疱性毛包炎/皮膚症などが鑑別疾患に挙がる。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

まずは悪化因子の除去として,禁煙指導を必ず行い,場合によっては禁煙外来を紹介する。並行して病巣感染を検索し,治療を行う。これが掌蹠膿疱症に対する唯一の根治的な治療法である。特に歯性病巣を精査の上,根治的に治療し,その後も再燃を防ぐため口腔ケアを継続するよう指導する。その上で軽快しない場合には,副鼻腔炎や中耳炎の有無を耳鼻咽喉科と連携し,精査・加療する。それでも難治な場合には病巣扁桃を考慮し,口蓋扁桃摘出術を耳鼻咽喉科へ依頼する。したがって,治療にあたっては,皮膚科だけではなく,内科・歯科・耳鼻咽喉科と連携しての精査・治療が必要である。病巣感染治療後,皮膚症状や骨関節症状がほぼ改善するには1~2年を要するため,事前に患者に説明しておくことが大切である。

次に,対症療法として外用療法,光線療法,さらに重症,難治例には全身療法として内服療法や生物学的製剤使用を検討する。しかし,治療法の多くは保険適用外のものが多いため,慎重に選択する。

なお,金属アレルギーの関与や歯科金属除去の有効性は十分なエビデンスが得られていないため,治療法としては原則として選択しない。


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