身長が,同性・同年齢の標準身長と比較して -2SD以下,または基準内であっても2年以上成長速度が同性・同年齢の-1.5SD以下の場合は低身長と考えられる。原因としては,体質性,内分泌疾患,染色体異常や奇形症候群などの先天異常,骨系統疾患,慢性疾患,その他(栄養,精神的要因,薬剤)などが考えられ,体質性が90%程度を占める。
▶診断のポイント
低身長診療においては,介入すべき原因の有無の確認と,成長ホルモン(GH)補充療法の対象かどうかの判断が重要であり,以下のことを確認する。
受診時の身長,成長曲線による成長率の評価。問診による,周産期歴(在胎週数,出生身長・体重・頭囲,骨盤位分娩・新生児仮死の有無,子宮内発育不全の有無など),既往歴(発達歴,慢性疾患の有無,頭蓋放射線照射歴の有無),薬剤歴(ステロイドの使用や漢方・サプリメントなど),家族歴(特に両親の身長,発育歴や思春期発来時期など),生活状況(食事内容や摂取量,運動習慣,睡眠時間など)の確認。頭蓋内病変を疑う頭痛,多飲・多尿,嘔気・嘔吐,視力低下の有無。身体診察で,特徴的顔貌や外表奇形の有無,アームスパン,四肢体幹のバランス,思春期発達や思春期発来時期の確認。
最初のスクリーニングとして,血液学的一般検査,生化学検査(蛋白質,電解質,肝腎機能),尿一般検査による重要臓器の異常の確認。ソマトメジンC(IGF-1),甲状腺ホルモン(TSH,FT4およびFT3)による内分泌学的異常の確認。必要に応じて性ホルモンや副腎ホルモンも追加する。左手の骨X線による骨年齢を評価。GH分泌不全性低身長症(GHD)の場合は,骨年齢が遅れていることが多い。ターナー症候群などの染色体異常を疑う場合は,説明と同意を得た上で染色体検査も検討する。
上記からGHDを疑う場合は,GH分泌刺激試験を行う。また,頭部MRIによる下垂体や頭蓋内病変の確認を行う。場合によっては栄養評価・指導も行う。当院では,外来でスクリーニング後に,入院にてGH分泌刺激試験や頭部MRIによる評価を行っている。
