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頸管無力症[私の治療]

登録日: 2026.05.17 最終更新日: 2026.05.18

大内 望 (日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科講師) 桑原慶充 (日本医科大学付属病院女性診療科・産科准教授)

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頸管無力症は,外出血や子宮収縮などの切迫流早産徴候の自覚なしに,子宮頸管の開大が始まり,胎胞が形成されてくる状態を言う1)。深い円錐切除や既往分娩における頸管裂傷などの後天的要因が原因となることもあるが,原因不明な場合も多い。妊娠中期以降にみられる反復流早産の原因のひとつである。

▶診断のポイント

明確な診断基準はなく,妊娠分娩歴による推察と,腟鏡診・経腟超音波検査により診断する。既往妊娠において流早産を認める場合は,感染や子宮収縮が先行したのか,子宮頸管長短縮・子宮口開大が先行したのかがポイントとなる。しかし,定期的な経腟的診察がなされていない場合も多く,診断の確定が難しいことも多い。不明瞭な場合は,妊娠12週以降1~2週間ごとの子宮頸管長測定など,頻回な診察が必要と考えられる。

日本における大規模調査では,妊娠20~24週の子宮頸管長が25mm未満で41.7%が,20mm未満で75.0%が早産に至ったと報告されている2)。したがって,流早産既往に関係なく,妊娠中期に子宮頸管長短縮が認められた場合は,本疾患を念頭に置いた慎重な管理が必要である。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

既往妊娠より本疾患が明らかな場合は,妊娠12週以降の早期に予防的経腟的子宮頸管縫縮術を行う。予防的経腟的子宮頸管縫縮術後の流早産既往を有する症例や,深い円錐切除により子宮腟部が欠損している症例では,妊娠11週以降の早い時期に経腹的子宮峡部頸管縫縮術を行っている。

妊娠24週未満で子宮頸管長が25mm未満となった場合,感染,出血,子宮収縮などがなければ,治療的子宮頸管縫縮術を考慮する。


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