不整脈は頻脈性不整脈,徐脈性不整脈に大別される。前者は発生部位によって上室性(心房性)と心室性に,後者は洞機能不全症候群と房室ブロックに大別される。成人とは疾患分布が大きく異なり,先天性心疾患に合併しやすい不整脈もある。成人で一般的に用いられる薬物が小児では使用できないことや,侵襲的検査や治療が困難な場合もあることから,総合して小児における不整脈の治療方針は成人と必ずしも同一ではない。
▶診断のポイント
【症状】
頻脈性不整脈による症状としては動悸,胸痛が,徐脈性不整脈による症状としてはめまい,眼前暗黒感などが,小児においても典型的な症状である。頻脈あるいは徐脈の程度が強ければ失神に至ることもある。哺乳不良,腹痛,嘔吐などの胸部以外の非特異的な症状も,小児特有の症状として出現しうる1)。一方,無症状で学校心臓検診により初めて発見される不整脈も多い。
【検査所見】
12誘導心電図での評価が基本であり,精査としてホルター心電図や運動負荷心電図を行う。先天性心疾患に対する手術の周術期には様々な不整脈が起こりうるため,モニター心電図も参考となる。
▶私の治療方針・処方の組み立て方
症状の有無,程度が最も重要であり,特に血行動態が保たれていない場合には迅速な全身管理と不整脈への対応が求められる。血行動態が保たれており,上室性頻拍の可能性が考えられる頻脈性不整脈患児に対しては,アデノシン三リン酸の急速静注を診断的治療として行う。
一方,無症状あるいは症状が軽度である場合,臨床経過,既往歴,内服薬の有無,家族歴の聴取を行い,12誘導心電図,血液検査,胸部単純X線,心臓超音波検査を参考に,治療介入が必要かを判断する。不整脈の内容によってはさらに,ホルター心電図や運動負荷心電図などを行い,重症度の評価を行う。
