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高齢者施設における感染症対策(新興感染症を含む)[私の治療]

登録日: 2026.04.29 最終更新日: 2026.04.29

蘆野吉和 (前 山形県庄内保健所所長)

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでは,高齢者施設におけるクラスター発生が地域医療の脅威となった。また,高齢者は感染症に罹患しやすく,発症すると摂食・嚥下機能を含む身体機能が短期間で低下し,誤嚥性肺炎や摂食機能低下に伴う低栄養等により,生命予後が不良となることも少なくない。このため,高齢者が多く生活する施設においては,平時における基本的な感染症対策,感染発生時および集団感染(クラスター)発生時の対応などについて,職員全員に周知するとともに,関係医療機関との連携を図ることが重要である。なお,関係医療機関の専門職は,施設は「暮らしの場」であること,また,多くの施設が限られた職員数で運営されていることを念頭に置き,感染症対策をプライマリ・ケアとして認識し,適切な指導を行うための知識と技能を有する必要がある。

▶平時における対応

【基本的な感染予防対策の遵守】

具体的には,標準予防策としての手洗い徹底,排泄物等を取り扱う際の手袋・ガウン等の個人防護具の着用,換気への配慮(定期的な空調設備の点検および換気扇の清掃),利用者に対するワクチン接種の推奨等が挙げられる。

【感染症対策における地域内連携】

予防を含めた対策の有効性を高めるためには,地域の医療機関・関係団体と介護施設・事業所が連携し,地域全体で取り組むことが必要不可欠である。具体的には,後述する感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関,または同加算2・3に係る届出を行った医療機関との合同カンファレンスによる情報共有,研修会への参加,新興感染症を想定した模擬訓練(年1回開催)の実施等を通じて,感染対策における地域連携の強化を図る。


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