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【識者の眼】「地域医療情報連携ネットワークの役割」土屋淳郎

登録日: 2026.04.17 最終更新日: 2026.04.21

土屋淳郎 (医療法人社団創成会土屋医院院長、全国医療介護連携ネットワーク研究会会長)

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2026年3月7〜8日に、日本医師会医療情報システム協議会(日医協)が開催され、筆者は初日の「医療DX─厚生労働省からの現状報告と日本医師会の考え」において座長を務めた。非常に多くの学びがあったが、本稿ではその中から、地域医療情報連携ネットワークの今後の役割について述べたい。

地域医療情報連携ネットワークは、通称「地連NW」とも呼ばれ、ICTを活用して地域の病院、診療所、薬局などの医療機関が、患者の診療情報を電子的に共有・閲覧できる仕組みであり、各地域で運用されている。規模は都道府県レベルから郡市区レベルまで多様であり、情報共有・閲覧可能な施設を介護分野にまで拡大している地域もある。これに伴い、共有される情報も検査結果や薬剤情報といった医療情報にとどまらず、介護・生活情報などへと広がっている地域もある。

全国医療情報プラットフォーム(PF)と地連NWは、共有情報が重複する部分もある一方で、仕組みや役割には相違点も多い。特に情報の詳細度においては、前者がいわゆる「3文書6情報」などの標準的情報にとどまるのに対し、後者では電子カルテデータや画像情報なども扱うことが多く、より詳細な情報の共有が可能である。このため、両者は似て非なるものと位置づけられる。

しかし近年、地域によっては地連NWを廃止、あるいは休止・再編する動きもみられる。その背景としては、全国医療情報PFによる代替の検討に加え、コストや運用負担の問題、さらには国が推進する標準規格(HL7 FHIR)への対応・集約などが挙げられる。

日医協の講演でも言及された通り、2026年度診療報酬改定では、「医療DX推進体制整備加算」に代わり「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設される。その中で最も高い評価となる加算1の施設基準には、「電子カルテ情報共有サービス」もしくは「地域の複数の医療機関間で検査結果や画像情報等を含む診療情報を共有又は閲覧できるネットワーク」の活用が求められている(追加条件あり)。後者は地連NWに該当すると考えられ、電子カルテ情報共有サービスの本格運用がなお先と見込まれる現状においては、地連NWを適切に維持・運営していく必要性を、国としても示唆しているとも解釈できる。筆者自身、東京総合医療ネットワークで地連NWの運営に関わる立場として、あらためて責任の重さを実感している。

今後は、全国医療情報PFや多職種連携ネットワークとの相互接続、ならびに各ネットワークで取り扱う情報の整理が不可欠となる。その上で、連携されたデータが実際の医療の質向上に資する形で活用される、「医療DX(変革)」への円滑な進展を期待したい。

土屋淳郎(医療法人社団創成会土屋医院院長、全国医療介護連携ネットワーク研究会会長)[医療DX地域医療情報連携ネットワーク

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