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無菌性髄膜炎(成人)[私の治療]

登録日: 2026.04.11 最終更新日: 2026.04.11

村井弘之 (国際医療福祉大学医学部脳神経内科学教授)

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無菌性髄膜炎(成人)(aseptic meningitis in adults)とは,髄液細胞数が増加しているものの,塗抹検査や培養検査で細菌が検出されない髄膜炎のことを言う。90%以上はウイルス性髄膜炎である。
ウイルス以外の原因としては,一部の自己免疫性疾患や自己炎症症候群(全身性エリテマトーデス,サルコイドーシス,ベーチェット病など)あるいは薬剤性(免疫グロブリンなど)などが挙げられる。

▶診断のポイント

・一般的な症状は頭痛,発熱,嘔吐,倦怠感などである。稀に痙攣が起こることもある。無菌性髄膜炎では意識障害まで至ることは少ない。

・髄膜刺激徴候(項部硬直,ケルニッヒ徴候,ブルジンスキー徴候,ジョルトアクセンチュエーション)がしばしばみられる。

・髄液細胞数の増加と軽度の蛋白上昇,IL-6の上昇がみられる。髄液糖の低下は通常みられない。髄液細胞数は数十~数百/μLと様々であるが,1000/μLを超えることは少ない。また,髄液細胞は単核球優位の増加であるが,病初期にIL-8などの好中球遊走因子の分泌により一過性に多形核球が動員される。

・核酸増幅検査(PCR)やウイルス分離で起炎ウイルスが検出される。最近ではFilmArray髄膜炎・脳炎パネル(ビオメリュー・ジャパン社)を用いることにより,14種類の病原体を1時間程度で網羅的に検出することが可能である。

・起炎ウイルスとして最も頻度が高いのが,エンテロウイルス属(エコーウイルス,コクサッキーウイルス,エンテロウイルスなど)である。その他の起炎ウイルスとして,ムンプスウイルス,サイトメガロウイルス,単純ヘルペスウイルス,水痘帯状疱疹ウイルスなどが挙げられる。


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