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自己免疫性後天性凝固因子欠乏症[私の治療]

登録日: 2026.04.05 最終更新日: 2026.04.05

日笠 聡 (兵庫医科大学血液内科講師/輸血・細胞治療センター長)

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凝固因子に対する自己抗体(インヒビター)の出現によって,後天的に特定の凝固因子の活性が低下し,出血症状を呈する病態。
大部分は第Ⅷ因子インヒビターによる後天性血友病A1)で,それ以外に第V,第X,第ⅩⅢ因子2),von Willebrand factor(VWF)3)のインヒビターも報告があるが,いずれも非常に稀である。

▶診断のポイント

生来,出血傾向を認めなかったにもかかわらず,突然,皮下出血,筋肉内出血,あるいは創部の止血困難などの出血症状にて発症する。止血機能検査において,後天性血友病Aは活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の単独延長を,第V,第X因子のインヒビターはプロトロンビン時間(PT)とAPTTの両方の延長をきたすが,第ⅩⅢ因子インヒビターはPT,APTTの延長を認めない2)。VWFインヒビターは,APTTが延長する場合と正常の場合がある3)

後天性血友病A,第V,第X因子のインヒビターにおいては,正常血漿と患者血漿を種々の比率で混和し,PTまたはAPTTを測定する交差混合試験を実施することで,凝固因子の単純欠乏とインヒビターの発生を鑑別することが可能である。

最終的には各凝固因子活性の低下とインヒビターの検出により診断されるが,後天性血友病A以外の凝固因子インヒビターは,外注検査会社においても通常,検査を実施していない。一部の凝固因子インヒビターは,「自己免疫性出血症治療の『均てん化』のための実態調査と『総合的』診療指針の作成」研究班で測定が可能である2)


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