鼠径・大腿ヘルニア発症における危険因子は,『鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2024』(以下,本ガイドライン)のCQ1-1およびCQ2-1に記載されている。鼠径ヘルニアでは,男性,高齢,白人,鼠径ヘルニアの家族歴が挙げられている1)〜3)。また,大腿ヘルニアでは,教科書的には高齢でやせ型,多産の女性に多いと言われている。
一方,2018年に発表された鼠径部ヘルニアの国際ガイドラインでは,鼠径ヘルニア発症の危険因子は男性,加齢,遺伝,対側の鼠径ヘルニア手術の既往,そしてコラーゲン代謝異常などがあると述べられているが,大腿ヘルニアについては記載がない4)。しかし,これらの因子に明確なエビデンスはなく,推奨の方向性やエビデンスの確実性を明示できていないのが現状と考えられる。