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ウイルス性結膜炎[私の治療]

登録日: 2026.03.23 最終更新日: 2026.03.23

薄井紀夫 (総合新川橋病院副院長)

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アデノウイルスによる流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)ならびに発熱,咽頭炎などの眼外症状を伴う咽頭結膜熱(プール熱)(pharyngoconjunctival fever:PCF)のほか,エンテロウイルスによる急性出血性結膜炎(acute hemorrhagic conjunctivitis:AHC)がウイルス性結膜炎の代表例であるが,単純ヘルペスウイルス,水痘帯状疱疹ウイルス,さらにはコロナウイルスなどでも結膜炎は起こる。本稿では,頻度が高く,また,感染力が強いために市中感染のみならず,院内感染の原因として重要なアデノウイルス結膜炎の治療について述べる。

▶診断のポイント

アデノウイルス結膜炎は,感染後7~14日の潜伏期の後に片眼または両眼性の急性濾胞性結膜炎として発症する。診察に際しては,下眼瞼結膜だけではなく,必ず眼瞼を翻転して濾胞が顕著に現れる上眼瞼結膜の観察を行う。上眼瞼結膜の濾胞は全体的に浮腫状で充血が強く,時に瞼縁に点状出血を認める。「起床時に眼が開けにくい」ほどに眼脂が多く,流涙もあり,異物感や眼痛を伴う。アレルギー性結膜炎や細菌性結膜炎ではみられない耳前リンパ節の圧痛や腫脹も特徴的所見である。通常は2週間程度で軽快するが,重症例では瞼結膜にフィブリン析出による偽膜を形成することがある。また,発症から10日~数週間ほどたった頃から角膜に複数の小斑状混濁-多発性角膜上皮下浸潤(multiple subepithelial corneal infiltrates:MSI)を生じることがあり,視力低下の原因となる。


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