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消化管穿孔[私の治療]

登録日: 2026.03.11 最終更新日: 2026.03.11

山本悠太 (信州大学医学部外科学教室消化器・移植・小児外科学分野) 副島雄二 (信州大学医学部外科学教室消化器・移植・小児外科学分野教授)

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消化管穿孔は,胃,十二指腸,小腸,大腸などの消化管壁に穿孔が生じ,腹腔内へ内容物が漏出する病態である。これにより,急性腹膜炎や敗血症を引き起こし,生命を脅かす可能性がある。主な原因としては,消化性潰瘍,憩室炎,腸閉塞,炎症性腸疾患,悪性腫瘍,外傷,異物による損傷などが挙げられる。疫学的には,高齢者やNSAIDsの使用者,消化管疾患の既往がある患者に多い傾向がある。特に高齢者では,症状が非典型的で発症の認識が遅れることがあるため注意が必要である。

▶診断のポイント

【症状】

一般的な症状は,突然の激しい腹痛,腹膜刺激症状(筋性防御,反跳痛),発熱,悪心・嘔吐などである。高齢者や免疫抑制患者では,症状が非典型的で,軽度の腹痛や意識障害のみの場合もある。

【身体所見】

腹膜炎によって腹部は板状硬になる。腹膜炎の進行に伴い,腸蠕動音の消失やショック状態を呈することがある。

【画像診断】

X線で腹腔内遊離ガスを確認する。CTで穿孔部位,漏出ガス,液体貯留,膿瘍形成を確認する。超音波検査も補助的に有用であり,腹水や炎症の有無を評価できる。

【血液検査】

炎症反応(白血球数,CRPなど)を評価する。進行した場合は,乳酸値上昇,電解質異常,腎機能障害がみられることがある。


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