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点状表層角膜症[私の治療]

登録日: 2026.03.09 最終更新日: 2026.03.09

佐々木香る (関西医科大学附属病院眼科角膜センター長)

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点状表層角膜症(superficial punctate keratopathy:SPK)は,角膜上皮に生じる多発性の小さな上皮欠損であり,ドライアイ以外にも様々な原因によって生じる。細隙灯顕微鏡検査でフルオレセイン染色を行い,SPKの部位と範囲を正しく把握するとともに,角膜周囲の眼付属器の観察も行い,原因に対する適切な治療を選択する。

▶診断のポイント

SPKの診断においては,まず全身疾患を含む患者背景の詳細な問診と,眼付属器すなわち眼瞼皮膚,眼瞼結膜,マイボーム腺,涙道などの視診と細隙灯顕微鏡を用いた観察が重要である。SPKは,細隙灯顕微鏡検査でフルオレセイン染色を行えば,診断は容易である。SPKは,角膜表面上の小さな点状のびまん性フルオレセイン陽性所見として観察され,その部位の上皮細胞の障害を示す。SPKの原因としては,①乾燥性角結膜炎(ドライアイ),②ウイルス性角結膜炎,③機械的刺激,④眼瞼異常,⑤薬剤性などが挙げられる。

原因を確定するためのポイントとしては,まず問診で,リウマチ,膠原病,アレルギー疾患の有無,屈折矯正や緑内障手術を含む眼手術歴,ウイルス性角結膜疾患の既往,コンタクトレンズの使用歴,全身および局所の薬剤投与歴など,患者背景を確認する。特に抗癌剤の投与歴は忘れてはならない。続いて視診にて,瞬目回数,眼瞼異常,眼球突出の有無,顔面から頸部,手足の紅斑や発赤などを確認する。次に細隙灯顕微鏡で,眼瞼内反・外反,睫毛乱生,兎眼,マイボーム腺開口部の梗塞や発赤,濾過胞や角膜浸潤,眼瞼結膜の乳頭・濾胞などの有無を確認する。また,フルオレセイン染色にて,涙三角(涙液メニスカス)の量,涙液層破壊時間(break up time:BUT)などドライアイに関する所見を確認する。

さらに,SPKの部位を確認することが大変重要である。瞼裂に沿った部位であればマイボーム腺炎関連,中央部の瞼裂に限局していればドライアイ関連,全体にあり下方にやや多く充血を伴えば点眼液や軟膏による薬剤性,睫毛接触部位に限局していれば機械的刺激,下方に多ければ兎眼や内反など眼瞼異常,シート状に輪部から連続すれば抗癌剤などの薬物性が疑われる。上方に擦過創のようなSPKを認めた場合は,結石や縫合糸など上眼瞼結膜の異常が疑われる。なお,濾過胞の存在など眼表面が平坦でない場合も乾燥によりSPKの原因となる。


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