検索

×
絞り込み:
124件
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

子宮肉腫[私の治療]

登録日: 2026.02.24 最終更新日: 2026.02.24

大原 樹 (聖マリアンナ医科大学産婦人科学准教授) 鈴木 直 (聖マリアンナ医科大学産婦人科学主任教授)

お気に入りに登録する

子宮肉腫は,軟部肉腫のうち子宮を原発とするもので,子宮体部悪性腫瘍全体の4〜9%を占める。平滑筋肉腫,内膜間質肉腫などの組織型があり,5年生存率が50%以下の予後の悪い子宮腫瘍である。
発症年齢のピークは平滑筋肉腫,内膜間質肉腫ともに50歳前後であるが,閉経前の若年者においても発症することがある。術前の組織診断は困難で,画像診断も容易ではなく,子宮筋腫核出術後や卵巣温存の子宮全摘出術後に診断が確定することがあるため,取り扱いに注意が必要である。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

治療の原則は外科的切除である。基本術式は,子宮全摘出術および両側付属器摘出術であるが,術前の診断が難しいことからも,前述のように子宮筋腫核出術後や子宮全摘出術後に診断に至る例も多い。不十分な摘出となった場合は,基本術式の再施行を考慮する。子宮全摘出術のみで付属器摘出がなされずに子宮肉腫の診断に至った場合,特に低異型度子宮内膜間質肉腫等のエストロゲン受容体陽性の腫瘍において,卵巣温存が再発率の有意な上昇を示す報告があることから両側付属器摘出術の追加を考慮する。

低異型度子宮内膜間質肉腫においては,早期症例では術後経過観察,進行症例ではメドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)やゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アナログ製剤,アロマターゼ阻害薬等の有用性の報告があるが,ホルモン受容体発現の有無や卵巣摘出の有無,適応外使用など留意して選択する必要がある。

子宮平滑筋肉腫や高異型度子宮内膜間質肉腫,未分化子宮肉腫などの悪性度の高い肉腫においては,手術による完全摘出が最大目標になり,術後補助化学療法については議論がある。FIGO分類I期の場合,子宮肉腫の組織型にかかわらず,術後補助化学療法の意義は明らかではない。ただし,子宮平滑筋肉腫I期の術後補助化学療法を受けた群では,経過観察群に比べて5年生存率は有意に高い結果であり(68% vs. 47%,P=0.046),術後補助化学療法の可能性も示している1)。


◀ 1 2