口腔癌は解剖学的に様々な亜部位に分類され,頻度としては舌癌が最も高く,ほかに下・上歯肉,口腔底,頰粘膜,硬口蓋と続く。組織学的には約90%が口腔粘膜に由来する扁平上皮癌であるが,小唾液腺由来の腺癌系や,悪性黒色腫,肉腫なども稀に遭遇する。扁平上皮癌における発がん要因としては喫煙,飲酒などが広く知られているが,これらの嗜好歴のない若年者にも時に発症がみられる。
▶診断のポイント
口腔内は視触診が容易な部位であり,粘膜不整や色調の変化,潰瘍や硬結に注意して観察し,特定の神経領域に応じた疼痛やしびれなども問診する。確定診断のためには生検による病理組織学的診断が,また,ステージングにおける原発巣評価にはMRIが,頸部リンパ節転移評価には造影CTや超音波検査が有用であるが,各検査の情報から総合的に判断する。他の頭頸部癌同様,同時・異時性に重複がんが発生することがあり,上部消化管内視鏡検査も考慮する。
