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薬剤性腎障害(OncoNephrologyを含む,アレルギー性TINを除く)[私の治療]

登録日: 2026.01.27 最終更新日: 2026.01.27

小阪健祥 (京都大学大学院医学研究科腎臓内科学) 山本伸也 (京都大学大学院医学研究科腎臓内科学講師) 柳田素子 (京都大学大学院医学研究科腎臓内科学教授)

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薬剤性腎障害は「薬剤の投与により,新たに発症した腎障害,あるいは既存の腎障害のさらなる悪化を認める場合」と定義されている1)。薬剤性腎障害は,腎機能低下や尿所見異常,ネフローゼ症候群などをきたし,原因薬剤は多岐にわたる。薬剤の中止により腎障害が軽快することが一般的である。近年,がんに対する治療の急速な進歩により担がん患者の生命予後は改善しているが,その一方で抗癌剤による腎障害の報告は増加している。抗癌剤による腎障害は,がん治療の継続にも影響し患者の生命予後を不良にするため,早期の発見と適切な管理が必要である。

▶診断のポイント

薬剤性腎障害の頻度は,非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)(25.1%),抗癌剤(18.0%),抗菌薬(17.5%)の順に高い1)。薬剤の種類により投与から発症までの期間が異なり,鑑別の際に有用である。

NSAIDsや抗菌薬による腎障害の多くは投与後,数日~数週間で発症する。腎障害の原因となる代表的な抗癌剤としてシスプラチンやカルボプラチンなどの白金製剤,ベバシズマブなどの血管新生阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)などが挙げられる。シスプラチンは,投与1〜2週間後に急性尿細管壊死による急性腎障害(acute kidney injury:AKI)を発症する。一方,血管新生阻害薬では,血栓性微小血管障害症により,徐々に高血圧,蛋白尿,腎機能低下を発症することが多い。ICIによる腎障害は,発症までの期間(中央値)が14週間と,発症が遅いのが特徴である。自己抗原に対するT細胞の免疫寛容の破綻に伴い,急性尿細管間質性腎炎を呈することが多い。皮膚炎や肝炎,甲状腺機能低下など,他の免疫関連有害事象を合併することが多いため確認が必要である。


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