鼻・副鼻腔の良性腫瘍には,上皮由来の乳頭腫や腺腫,間葉系由来の骨腫や血管腫などが含まれる。疫学的には,炎症性ポリープを除けば内反性乳頭腫が最も一般的である1)。症状の多くは一側性の鼻閉であり,血管性病変の場合は反復する鼻出血を呈することがある。副鼻腔原発の腫瘍では,増大に伴う閉塞性の副鼻腔炎や周囲組織の圧排がない限り無症状で,他疾患の精査目的に撮影した画像で偶発的に見つかることがある。内反性乳頭腫は易再発性で,悪性病変を伴うことがあるため,診断・治療には十分な配慮が必要である。血管性病変では多量の出血を伴う場合があり,外来での安易な生検は避けるべきである。
▶診断のポイント
診断には内視鏡やCT,MRIが有用である。内視鏡では,腫瘍の形状や出血の有無を観察できる。CTやMRIでは,腫瘍の局在や周囲組織への浸潤などの評価,加えて造影所見から,血管性腫瘍の鑑別が可能である。また,CTで片側性の副鼻腔陰影を認めた場合には,腫瘍の存在を疑いMRIを検討すべきである。確定診断には生検が必要であるが,血流が豊富な腫瘍や副鼻腔にのみ存在する腫瘍では外来生検が困難な場合もあり,術前の画像診断をもとに診断的切除が行われることがある。
