糖尿病は主に1型糖尿病と2型糖尿病があるが,1型糖尿病に対する運動の意義は2型とは異なるところが多い。本稿では2型糖尿病に対する運動療法の指針を述べる。
▶治療のポイント
- 運動療法の中心は歩行運動であり,歩数を目安にして指導する。
- レジスタンス運動は血糖値改善とともに筋量の増加が期待できる。
▶私の治療方針・処方の組み立て方
2型糖尿病の治療において,運動療法の血糖降下に関するエビデンスは確立している。その効果は,主に骨格筋におけるインスリン抵抗性の改善作用に基づくと考えられている。また,運動はこれ以外にも,脂質代謝異常,血圧,動脈硬化症に対しても有効であることが明らかとなっているので,食事療法とともに積極的に導入する。
運動前のメディカルチェックについては,主に通常行っている,合併症の状態の把握を行う。注意する必要がある状態として,空腹時血糖値が著しく高い場合(250mg/dL以上),増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある場合,腎不全,虚血性心疾患や心不全の状態にある場合などがある。心疾患合併症のチェックでは,安静時心電図と症状の有無の確認が第一に必要である。症状がなく,かつ,行う運動が軽度から速歩程度であれば,一般的に運動負荷心電図などのスクリーニングは不要であると考えられている1)2)。
