通常精巣が下降した後に自然閉鎖する腹膜鞘状突起が開存し,腹腔の内容液が陰囊に貯留する状態が陰囊水瘤である。鼠径部に腹腔の内容液が貯留する精索水瘤も同様の病態である。陰囊水瘤は自然消失あるいは軽減する可能性があるので,原則経過観察とする。腹膜鞘状突起が広く開存し,大網,腸管が腹腔内から脱出すると外鼠径ヘルニアとなる。陰囊水瘤が経過観察中に外鼠径ヘルニアになることもある(約5%)1)ので,注意が必要である。
▶診断のポイント
右側に多く(左:右=1:2),比較的軟らかく,透光性のある無痛性腫瘤を陰囊に認める。ジャンプするなど腹圧をかけて,外鼠径ヘルニアの合併がないか確認する。外鼠径ヘルニアが否定できない場合は陰囊超音波検査を行う(図)。

