本連載では,医師限定オンラインサロン「ドクターズチャート」の代表であるMM先生,よいこはこいよ先生に,ドクターズチャート内での話題をもとに,イマドキの開業・開業医について語って頂きます。
MM:ドクターズチャート代表。開業10年以上の医療法人理事長。Ph.D.。 Xフォロワー2万人。
Xアカウント: @medpractitioner
よいこはこいよ:ドクターズチャート代表。医学博士,内科医,クリニック院⻑。Xフォロワー1万人。
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4400名の開業医/準備医師が参加する情報交換型オンラインサロン
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──今回は,クリニックのハード面である,内装や動線について,「こうすればよかった!」「こうしておいてよかった!」を語って頂きます。
○○は正義! クリニック内装で一番大切なことは……
よいこ クリニックを開業して10年以上経つんですけど,一番困っているのはやっぱり場所が足りないことですね。もし10年前に戻って,もう1回クリニックを自由につくることができるなら,もう1つか2つ部屋を増やしたいです。とはいえ,最初から規模を大きくするのは,開業の初期投資も大きくなるし,一歩踏み出しにくいんですけどね。それでも,やり直せるなら建物の規模を2割くらい大きくしておきたいですね。
MM それはうちも同じです。うちは45坪くらいなんですけど,実は55坪まで借りられたんです。でも,そんなにいらないかなと思って日和ってしまって。家賃も上がるし。でも今思えば,断然広く借りておいたほうがよかった。後から広げるって,特にうちみたいなテナント開業だと難しいんですよ。場所がいろんな制約を生んでしまうので,物理的な広さって本当に重要だと思います。
よいこ わかります。開業してからはいろんな部分がDXやシステムで解決できるんですけど,基本的な部分はどうにもならないですよね。コロナ禍のときなんか,問診書いて予防接種して……ってなると,そもそも物理的にモノを置く場所がないとできないことが多い。各スペースがボトルネックになる局面は本当にたくさんありました。診療の規模って,そのボトルネック以上には絶対に伸びないんですよね。
MM そうそう。たとえば発熱外来をやりたいと思っても,広さがないと動線がわけられなかったり,やりにくかったりする。でも10坪余分に借りていたら問題なくできたはずなんですよ。隔離室もつくれたし。専門外来を新しく始めたいと思って,専門の先生に来てもらえる状況になったとき,場所がないから呼べない,ってこともありました。だからもう,本当に“広さは正義”だと思います。開業時って「こんなに家賃払って大丈夫かな」と不安にはなるんですけど,許される範囲で迷うなら広めにしておくほうがいいと思います。